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ANALYSIS FLOW

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find the problem
解くべき問題・本質的な問題を きっちりと見極め目的の明確化

「問題発見力」は、統計の知識や分析手法の知識よりも、はるかに重要なスキルです。なぜなら、問題解決の本質とは「現状の問題に対処すること」ではなく、「あるべき姿を描き、その実現に向けて現状を変えていくこと」だからです。

たとえ問題を見つけたとしても、それだけでは十分ではありません。本当に目指すべき理想の姿を突き詰め、そのうえで「何が本質的な問題なのか」を正しく見極めることが不可欠です。

つまり、データ分析や統計はあくまで手段にすぎず、その前提となる「問題発見力」こそが、真の解決への第一歩となるのです。

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test the hypothesis
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仮説を検証するために
問題の構造化を論理的に行います

問題の構造が現実と合っているかどうかは、データで検証すれば後から確認できます。
重要なのは、その前段階として「自分なりの合理性や論理性をもって説明できる仮説」を最初に描けているかどうかです。この仮説がしっかりしていれば、後の分析の質と成果に大きくつながります。

忘れてはならないのは、分析とは「やりたいことを探す作業」ではないということです。分析はあくまで「やりたいことを実現するために立てた仮説を検証するためのツール」であり、その本質を理解して取り組むことが、真の課題解決につながります。

そして、この「仮説を描く力」こそが人間固有の役割です。AIは膨大なデータ処理や既存パターンの提示には優れていますが、「何を理想とするのか」「何を問題と捉えるのか」といった出発点そのものを決めることはできません。つまり、この問題はAIには解けず、人間自身が考え抜かなければならない領域なのです。

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data collection
必要なデータの選定や
データの加工を行います

仮説を持たずにデータ収集を始めることは、まるで地図も羅針盤もなく広い海に放り出されるようなものです。データ分析を行う前に、まずは次の点を明確にすることが欠かせません。

  • どのような問題を解決したいのか

  • 問題解決に必要なデータは入手できるのか

  • 既存のデータを加工すれば、分析に活用できるのか

この準備を怠れば、ただ数字やグラフを眺めるだけに終わり、本当にやりたいことは見えてきません。
「分析は仮説の検証である」という原則を肝に銘じ、目的を持ってデータに向き合うことが重要です。

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required analysis
問題解決に必要な分析を
行なっていきます

ここでいう「分析」とは、統計的な確率や精度を少しでも高めることが目的ではありません。大切なのは、実務の問題解決に役立つ成果を出し、関係者が理解・納得し、具体的なアクションや判断につながる結論を導くことです。つまり、分析の価値は数字の正確さそのものではなく、そこから導かれる「次の一手」を生み出せるかどうかにあります。

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make a story
データで検証、裏付けされた
結論をもとにストーリーを構築

たとえ緻密な分析結果や非の打ちどころのないロジック(結論)があったとしても、提案が受け入れられないことがあります。いわゆる「ロジック優先の人」です。
一方で、大きな夢やビジョンは語れても、実現に向けた筋道が伴わない「ストーリー優先の人」も存在します。

人は、ロジックだけでは「理解」はできても「納得」には至らず、行動に移せないことが少なくありません。だからこそ、データ分析によって導き出した結論をもとに、「今後どのようなアクションや判断につなげられるか」をストーリーとして描くステップが欠かせないのです。

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action
ストーリーをもとに、アクションや 判断につなげていきます

分析とは、あくまで意思決定に役立てるための仮説検証にすぎません。実際の現場では、リスクを取って「A」を選択することもあれば、あえてリスクを避けて「B」を選択することもあります。

つまり、最終的なアクションに「唯一の正解」は存在しない、ということを忘れてはいけません。
分析はあくまで判断の拠り所であり、最終的な意思決定は状況や戦略に応じて選び取っていくものなのです。

ABOUT ANALYSIS
問題解決の第一歩は、「正しく分ける」
分類基準の理解から

地図は、その境界線によって地域が分けられているからこそ、人は場所を認識することができます。
「アレ」と「コレ」を分ける境界線があることで意味の違いを理解できる ― これが「分析の基本」です。

分析においては、何を基準に分けるのか(分類基準) と どのレベルで比較するのか(抽象水準) を揃えることが重要です。

例えば地図を見る場合でも、

  • 国単位で見るのか

  • 都道府県単位で見るのか

  • 市区町村単位で見るのか

によって比較の対象はまったく変わります。これが「分類基準」です。問題解決につながる正しい分類基準は、解決したい課題によってさまざまな切り口があることを忘れてはいけません。

また、比較の際には抽象水準を揃えることも欠かせません。たとえば「東京都」と「大阪府」を比べるのであれば、同じ「都道府県」という水準なので適切な比較が可能です。
しかし「東京都」と「大阪市」を比べると、片方は「都」、もう片方は「市」と水準が異なるため、適切な比較にはなりません。抽象水準が揃っていなければ、正しく「分かる」ことにはつながらないのです。

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データ分析(統計解析)による情報整理

統計解析において「多変量解析」は大きく ①比較、②関係、③分類 の3つに整理できます。
これは「問題解決の糸口を得るための道具」であり、前提として 問題発見と仮説構築が不可欠です。そのうえでデータと手法を適切に選択することで、実践的な解決策へとつながります。
近年は生成AIにより分析の一部が自動化され、仮説候補も提示できるようになりました。しかし、AIは過去の知識に基づく提案しかできず、「何が本質的な問題か」を定める力は人間にしかありません。
また、AIと統計手法は得意領域が異なります。
•    AI・機械学習:非線形関係を捉え高い予測精度を実現する一方、説明性に乏しい。
•    多変量解析:精度では劣る場合もあるが、要因の影響を定量的に示し、透明性の高い解釈が可能。
そのため現場では 「AIで予測 → 多変量解析で検証・解釈」 という補完的活用が進んでいます。
実務でも多変量解析は依然重要です。医学ではロジスティック回帰が疾患リスクや治療効果検証に必須であり、金融ではクレジットスコアリング、製造業では品質改善、マーケティングでは顧客理解に日常的に使われています。
したがって、生成AIが普及した今だからこそ、多変量解析は古くなるどころか一層の重要性を持つといえます。
AIのアウトプットを鵜呑みにするのではなく、それを検証し、説明可能な形で意思決定につなげるには、データを正しく扱い、多変量解析を駆使して本質的な問題解決へと導く力が欠かせません。

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統計解析もまた、現在の生成AIのような高度な技術が広く普及するなかで、その使い方や使い分け方は人に大きく依存します。

どの技術をどの場面で活かすかという判断力こそが、問題解決の成否を左右するのです。

※以下は多変量解析を『比較・関係・分類』の3つの型で整理した代表的な分析手法の一覧です

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統計解析
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FINALLY

昨今、膨大なデータを容易に扱える環境が整った一方で、真の問題解決には

  1. 問題発見力

  2. 仮説構築力

  3. データ収集力

  4. 分析力

  5. 構想・物語力

  6. 意思決定力

この6つのスキルが不可欠です。

統計知識や分析技術だけでは十分ではなく、これらが総合的に組み合わさってこそ、初めて価値ある解決策が生まれます。

この流れを料理に例えるなら、データは“食材”、分析は“調理”、そしてストーリーは“盛り付けや空間、接客”にあたります。どのように食材を選び、どう調理し、どのように提供するかによって、初めてお客様に価値が伝わります。データ分析も同じで、材料をどう加工し、どの分析を組み合わせるかは分析者の創造性に委ねられています。

さらに、統計解析もまた、現在の生成AIのような高度な技術が広く普及するなかで、その使い方や使い分け方は人に大きく依存します。どの技術をどの場面で活かすかという判断力こそが、問題解決の成否を左右するのです。

私たちクリエイティブエレメント株式会社は、皆さまと共に多様な「食材(データ)」を活かしながら調理し、創造的で新しいサービスを生み出す存在でありたいと考えております。
これからも、データの力と人の知恵を組み合わせ、課題解決と価値創造に貢献してまいります。

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